嘘をつくということは、子供にとっては成長のサインでもあります。自立心が芽生え、複雑な思考ができるようになって初めて嘘がつけるようになるのです。
人は実は日々多くの嘘をついています。気の乗らない誘いを「予定があるから」と断ることもあるでしょう。恋人と観た映画が面白くなくても「面白かったね」と言われれば「ラストのシーンが特によかった」などと話を合わせることもあるでしょう。
これらは相手を傷つけないための嘘であり、人間関係を円滑にするためにはある程度必要なものです。誰もが完全に正直だったら、世の中はもっと殺伐としているはずです。
一方、嘘は使いようによっては危険な武器にもなります。トラブルや犯罪とのかかわりも深く、嘘をついて利益を得る詐欺などは、その典型です。嘘は悪いものだと教えられるのはこうしたことを防ぐためかもしれません。
ただし、悪意のない嘘であっても結果的に相手を傷つけてしまうこともあります。また、嘘をつくと知らず知らずのうちにストレスがたまるもので、嘘をつかないほうが心身ともに健康になるというデータもあります。
対人関係においてよくある嘘、12のパターン
1.予防線
人との約束を何か理由をつけて断るなど、トラブルを避けるための嘘
2.合理化
約束を守れなかったときなど、その口実や言い訳となる嘘
3.その場逃れ
していないことを「した」と言うなど、その場を逃れるためのとっさの嘘
4.利害
金銭がからんでいる場合など、自分が得する、有利になるための嘘
5.甘え
自分を理解してもらう、味方になってもらうための嘘
6.罪隠し
自分のしてしまった悪いことを隠すための嘘
7.能力・経歴
自分の能力や経歴を偽ることで、自分の立場を優位にするための嘘
8.見栄
恋人がいないのに「いる」と言うなど、自分を良く見せる、目立たせるための嘘
9.思いやり
真実を告げると相手が傷つくと思われるとき、相手を傷つけないためにつく嘘
10.ひっかけ
本当のことがわかっても笑ってすませられるような、冗談、からかいの嘘
11.勘違い
言ったことが間違っていたなど、勘違いや知識不足による結果的な嘘
12.約束やぶり
約束を守れず、嘘になってしまったもの。わざとでない場合もある。