僕は孤独である。
これといった友人も恋人もいない。職場でも腹を割って本音を話せる人間は1人もいない。
学生時代に仲の良い人間がいなかったわけではない。友人と呼んでもよかったと思う。だが、今となっては連絡してくれる人間は1人もいないし、僕から連絡したいと思える人間も1人もいない。
連絡を取らない期間が長引くと、気づけば皆疎遠になってしまっていた。
もしかしたら、ただ僕が仲が良いと勘違いしていただけで実は嫌われていたのかもしれない。
孤独な人間は早死するという。
孤独だと寿命が縮むのは、ストレスホルモンが貯まりやすいとか、会話などの刺激が少ないからとか、免疫力が落ちるからとか、健康状態に無頓着になるからとか、様々な理由があるらしい。
始末に悪いのは、孤独であることに僕自身がさして危機感を抱いていないことだろう。独りだと変に気を使わずに済んで楽だし、なにより本当に孤独だと感じるのは独りでいるときよりも、むしろ大勢の人間と関わりあっているときだからだ。そして、そんな自分を今さら変えられるわけでもない。
そうやって人と深く付き合おうとしなかったツケが回ってきたのかもしれない。
人間は死ぬときは誰しも孤独。そんな言葉を自分に言い聞かせながら僕は生きながらえている。