クソログ

孤独の海

文章力を飛躍的に向上させる具体的でシンプルな方法

文章作法の本がたくさん世に出ていますが、購入してはみたものの、あまり効果が無かったという人も多いのではないでしょうか。
文法ルールや文章テクニック、レトリックなどをいくら勉強しても、実際に文章を書くときに使いこなすことができなければ役に立ちません。

では、どうしたら文章が上達するのでしょうか。

「何でもいいからどんどん書くこと」
「たくさん本を読むこと」

といった意見が特によく見られます。それらも間違いではないでしょう。
しかし、「たくさん書けばいい」と言われても、何を書けばいいのかわからなかったり、自分の文章を見て嫌気がさして意欲が失せてしまったり、継続することができなかったりします。たくさん書けば上達することがわかっていても、いざ書きはじめてみると言葉が出てこないこともあると思います。
こうなると、具体的に何をどうすれば文章が上達するのか、お手上げです。

そこでおすすめしたいのが「作品を書き写す訓練」です。
書き写すことなら、何を書けばいいかわからない人でも、やる気さえあれば実践することができます。
一見地味な方法ですが、多彩な表現方法が身につきます。

長く読み継がれてきた作品は、内容はもちろん、文章表現も時代を超えて人々の心をつかむ力を持っています。
そうした作品をそのまま真似て書き写すことで、自然に書く力が身についていきます。

名文には独特な美しい響きとリズムがあり、著者の世界観や人生観が息づいています。
もちろん、こうした名作に読書の対象として向き合ってもいいのですが、「書き写す」という作業は心と体の両方で文章と向き合うため、漠然と読んでいるだけではきづかなかったことがたくさん見えてきます。

作家の浅田次郎は、小説家になる為に来る日も 来る日も、川端康成や谷崎潤一郎の文章を書き写したといいます。 文章を書き写すと、さまざまな表現方法や、 言い回しや語彙も身につき、作者の細かな意図も分かるようになるからです。

一日10分などと決めて、見本にしたい作家の文章を読みながら書き写していきます。もちろんもっと時間をかけてもいいのですが、無理なく継続できることが大事です。
実際に手を動かして、様々なパターンの文章、発想、考え方、エピソードを頭に染み込ませ、ストックすることで文章は確実に上達します。
文章力を養うには何となく読書するよりも、書き写したほうが効果的なのです。


今週のお題「練習していること」