クソログ

クソログ

タップル体験記 3

lets0720.hatenablog.com

 


タップルで知り合った女性と昼から飲む約束を取り付けた俺は、待ち合わせ時間よりも30分も早く到着したので、駅周辺をぶらぶらしつつ待つことにした。

 

彼女による前情報だと、とてつもなく容姿の悪い女性が訪れるということになっている。本当にそうだろうか。

仮に本当にそうだったとしても、楽しく話せれば俺はそれで満足だった。

 

到着の10分くらいだろうか。待ち合わせ人物と思しき人物がしきりに駅の改札口を気にしていることを見つけた。

…が、あらかじめ聞いているその人の情報が、柄が大きく、黒い鞄を持っているということしかないので、本人であるという確証が持てなかった。

そこで自分のいる場所と服装などをメッセージで伝えるも返信が返ってこない。

死なない限りは必ず来ると言っていたのですっぽかしはないだろうと思いつつも、不安になってくる。

 

待ち合わせ時間になっても状況は変わらず、それらしき人物も現れないので、待ち合わせ時間の10分を過ぎたところで、待ち合わせ人物であるという確証が待てないまま、改札口と腕時計を気にしている女性におそるおそる声をかけることにした。

 

『違ってたらすみません。もしかして誰かと待ち合わせしてますか?』

 

『はい』

 

『お名前伺ってもよろしいですか?』

 

『○○です。もしかしてクソログさんですか?』

 

『そうですそうです。声をかけるのが遅くなってごめんなさい』

 

本人であることにホッとするものの、このまま声をかけなければ、いつまで待ち続けたのだろう。そして、なぜ携帯電話を確認しないのか。

そんなことを気にしながら、店に向かいながら話を続けると、もう10分ほど待って来なければ帰っていたということ、まさか自分より先に着いてるとは思わず駅の改札口しか見てなくて気づかなかったというのが彼女の主張だった。

 

とりあえず、悪い印象は持たれていないようだったし、俺も特に悪い印象は持たなかった。

 

たしかに、女性にしては大柄で、年齢相応ではあるものの肌は綺麗で顔立ちは整っており、むしろ可愛い部類に入るのではないかと思う。

服装がいわゆるゴシックファッションであることと、夏なのに長袖であることが気になったくらいのものである。

にも関わらずなぜこれほどまでに自分を卑下するのか。メンヘラと一言で片付けることもできるのかもしれないが、その一端を店先での会話で知ることとなる。

 

真昼間であるためか、客は俺たち以外誰もいなかった。

さっそく酒を注文して会話をはじめるのだった。

 

 

続く。

 

タップル体験記 2

lets0720.hatenablog.com

 

絵文字てんこ盛りの長文気味のメッセージ。

独特な距離感のこの女性とやりとりを続けるうちに、相手から通話をしてみませんか?という打診がきたので、受けることにした。

 

俺はあまり話すのが得意じゃないのだが、それでも良いかと聞くと大丈夫だというので流れに身を任せた。

着信。おそるおそる通話に出ると、可愛らしい明るく快活な声。正直、メッセージのやりとりでの印象では、もっとオタク気質な陰気なタイプかと思っていたが、そうではなかったようである。

たしかに俺があまり喋らなくても問題にならないほどによく喋る人であった。普段は営業職をしているということで合点がいった。

会話のターンが8:2もしくは9:1(当然俺が1もしくは2)くらいの割合で進行していくが、ほとんど一方的に話されても不思議と嫌悪感は感じなかった。

相手も話を聞くだけの俺で特に問題はなかったようである。

流暢に喋り、よく笑う。

これは通話をする前にある程度予想していたことだが、それだけではなかった。

彼女はたびたび枕詞に『私は頭がおかしいので』とつけるのであった。

だが、特段会話の中でそう思わせられるところはない。ただただ快活で悲観的な空気もない。

強いてあげるなら多弁である点くらいだろうか。

そんなことないと思いますよ、と言っても、お優しいですね、とあしらわれる。

頭がおかしいとはいったい…。

発達障害か、あるいはなんらかの精神疾患をさすのか。そこまで聞くのは憚られたのでそれ以上は追求しないことにした。

彼女がアプリを利用する目的は、恋愛や婚活というよりも、プライベートが1人で会話する人がいないから会話ができる人が欲しい、というものだった。

会話ができればどうだっていい、とも。誰でもいいという言葉に少し傷ついたが、もう少しこの人物を知りたいという欲求が出てきたので、思い切って、飲みながら話しませんかと打診をした。

すると、会って喜ばれるような容姿ではないからやめたほうがいいと言う。

根気よく容姿は気にしませんよということを伝えると、ようやく飲みに行くことを承諾してくれた。

はじめて話しているはずなのに、ずいぶんと長い時間通話していた。あっという間に時間が過ぎ去っていた。

自分の体型以外の情報は隠すつもりがないという。なぜどこの馬の骨ともわからない俺にそこまでオープンになれるのか理解に苦しむが、よく知らない人間だからこそ話せることもあるのかもしれない。

休日に昼から飲むことを約束した俺は、タップルで初めて女性と会うことになる。

 

続く。

タップル体験記 1

寂しさからだろうか。

休日を1人で過ごすことにも飽きた俺はマッチングアプリを使って一緒に遊べる人間を探すことにした。

使ったのはタップル。特に理由はないが、よくネットで宣伝されていたので使うことにした。

 

マッチングすれば、メッセージのやり取りをしたり、通話をしたりすることができる。

とはいえ、なかなかマッチングすることはないし、したとしても、そこからやり取りが続くことは更に稀だった。

理由は俺のアピールポイントが少ないからなのは間違いないのだが、全体的に女性側がもらっているいいねの数やメッセージの数は男性側とは桁が違う。

つまり、仮にマッチングしたとしても、その中でも相手にとって印象的な人物でなければ、有象無象に埋もれてしまい、やり取りを続けることはできないのだ…ということを、1人の女性とやりとりすることで知ることとなる。

未だにやりとりが続いている唯一の女性である。

基本的にタップルでは、よりマッチングしやすくするために顔写真を登録することが推奨されているのだが、その人は食べ物の写真を登録しており、容姿などは全くわからないようになっていた。

それでも日に何十件というメッセージが来るのだという。女性にとって、より良い人が現れればそれ以外の人間とやりとりを続ける理由はない。


多くの人が顔写真を登録している中で、顔写真を登録していないことに寧ろ興味が湧き、加えてやたらと長いプロフィール文に異様な熱量を感じた俺は、いいかもをタップした。

マッチングしたので、早速メッセージを送る。

血液型占い、星座占いが好きだということで、そのことに関するメッセージを送った。

とりあえず自分のことを語るのではなく、相手の関心を話題にすることにした。

 

返信が返ってくる。全体的に情報量が多い長めのメッセージ。

この時点で普通じゃない何かを感じとってはいたものの、好奇心に支配された俺は気にすることなくやり取りを続け、ついには通話までもすることになったのだった。

 

続く。