クソログ

孤独の海

株式投資をするなら一度は読んでおきたい本

今回紹介する本は海外の著者ばかりになってしまいましたが、残念ながら日本人が書いた投資に関する本で歴史の風雪に耐えられそうなものはほとんどありません。
何年経っても本棚に残り続けるような、色褪せることのない原理原則が書かれた本を選択しました。


「投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか?」という命題に「行動経済学」と「不確実性科学」の理論を中心に、文学や哲学、生物学や歴史の教養を織り交ぜ、わかりやすいたとえと独特の文体で読ませる知的エンターテインメント性の高い本です。
本書は「不確実性科学」の視点から、プロのトレーディングの成功は、ほとんどの場合彼らの腕前によるものではなく、まぐれにすぎないことを実証しています。



この本は世界を代表する17人の投資家・ファンドマネージャーの投資法、人柄などを知る上で、百科事典的な役割を果たしている絶好のバイブルです。興味のある投資家を選び出して、読んでいくのにおすすめです。どんな投資法を実践し、どんな成果を上げているのかを調べる際に、有力な資料の一つとなるはずです。



本書のタイトルにある「ブラックスワン」とは、「1.異常であること」「2.とても大きな衝撃があること」「3.異常であるにも関わらず、我々人間は生まれついての性質で、『それが起こってから』適当な説明をでっち上げて筋道をつけたり、予測可能だったことにしてしまったりすること」とあります。
リーマンショックや福島原発事故などもこのブラックスワンに当たります。
不確実性についてあらゆる角度から解き明かしており、リスクをコントロールすることは不可能であると主張しています。
人間が予測できないことにはどのようなものがあり、それらにどのように対策すればよいのかを示し、世の中のあらゆるランダム性や不確実性について言及されています。



冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見

冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見

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ジョージ・ソロスとクオンタム・ファンドを成功させた投資家、ジム・ロジャーズによるグローバル経済の真の姿がわかる投資旅行記です。
真剣に投資を考えているのであれば、ぜひ読んでもらいたい一冊です。グローバル経済下において投資が自国だけで完結することはないですし、経済を知るには地理や歴史の知識が必須であることがわかるはずです。著者が投資家の目で世界一周し見たものは、世界のどこかで不足しているものが別のどこかでは余っていたりする需給の関係であり、過去に起こったことが場所を変えても現在起きているという経済の歴史です。
本書を読み込めば、ヘッジファンドの仕組みや、アービトラージ、貨幣の関係も理解できるはずです。また、株式市場についても歴史的に正しい真理が繰り返し述べられています。



この本は投資を扱ったものではありませんが、蓄財という意味では非常に参考になる本です。
投資をはじめるにあたって、まずまとまった元金をつくることが重要です。
よく数十万といった種銭で投資をしたいという人がいますが、元金が少ない人ほどリスクが高く儲からないのが投資です。
本書は、一万人以上の億万長者たちの消費行動やライフスタイルを通して、資産を築くための指針について示してくれています。



敗者のゲーム: 金融危機を超えて

敗者のゲーム: 金融危機を超えて

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プロがしのぎを削る株式市場は、勝とうと思っても勝てるものではありません。
本書では株式投資の短期売買について否定しており、あくまで長期投資にこだわっています。
では、個人投資家はどうすればいいのかというと、資産ポートフォリオを組み、マーケットに勝つことではなく、長期投資で市場の成長に賭けることを推奨しています。
短期のトレードで個人投資家が勝つことが難しい理由と、長期投資の基本が平易に解説されています。



本書は、「株式投資の不滅の真理」というコピーに恥じない名著であり、株式投資をスタートする前に読んでおきたい必読書です。
タイトル通り、ランダムウォーク理論と効率的市場仮説についての説明がメインテーマですが、その過程で株式市場の動きを予想するテクニカル分析やファンダメンタルズ分析がうまくいかない理由や、投資のプロのアクティブ運用がインデックス平均を上回らない実態が述べられています。
効率的市場仮説に対する批判についても反証されています。
「ランダムウォーク」とは過去の動きから将来の動きや方向性を予測することは不可能であることを意味する言葉です。ランダムウォーク理論を株式市場に当てはめると、専門家のもっともらしい予想や複雑な分析はまったく無駄ということになります。




リスク 上: 神々への反逆

リスク 上: 神々への反逆

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リスク 下: 神々への反逆

リスク 下: 神々への反逆

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上下巻500ページにわたってリスクの謎を追っている本です。
冒険、ビジネス、科学、投資、ギャンブルなど、人類が英知を賭けて挑んできた確率論とリスクにまつわる壮大な物語となっています。
上巻では古代から近代まで、下巻では近代から現在までのリスク概念に至る道筋(主に投資におけるリスク)が解説されています。ギリシャ・ローマ時代から、我々の祖先がどのようにしてリスクと出会い、管理しようと試みてきたか、歴史を俯瞰しているのでリスクの本質を学ぶことができます。